ダブルミンツのことを知ったのは、ちょうどランチのパスタを食べ終わって、出版社に勤める友人がデザートを受け取った時だった。とても穏やかな秋の陽気だったし、久しぶりに和風のたらこスパゲティを食べて心も胃袋もホクホクしていたので、正直真剣に聞いていなかった。自家製のアイスクリームのスクープの味と香りで夢中だったし、ダブルミンツ?それダブルミントってこと?及川光博かな?とか、勝手な想像ばかりしていて、どうやらマンガの話で、BLで、ドラマ化したんだというところまで理解できたのは彼がかなり話を進めてくれた後だった。
BLに抵抗がある人もいるし、「汚い」という人もいるのは知っているけど、私はそれほど抵抗がないし、エンターテイメントとして普通に受け入れて見ていられる。でも積極的に同人誌を集めたり、自分で描いたりするような情熱は持ち合わせていない。
彼から進められたので、その日の仕事帰りに用事もなかったので、家で少しインターネットを検索してダブルミンツを調べて見た。最初はふーん、という感じ。でも調べれば調べるほど、おもしろそうじゃないこれ、と興味が出てきて、別の日に彼にお願いして映画を借りてしまった。
淵上泰史のシステムエンジニアの髪型が、知り合いの舞台関係者に似ていてステキだなーと思ったくらいの感想だったのだが、田中君と絡みがすごく、不思議に、心に絡まってしまった。インターネットには共依存の話という解説があって、ほんとうにそう、と思えた。終わった後もずっと心に残るのは、そのせいかな。
そのせいでしばらくずっとぼーっとしていたせいで、執筆依頼が来た時もダブルミンツのことを考えていた。執筆依頼はカジノエックスというオンラインカジノのレビューで、カジノエックス評価を書くという、まぁよくある依頼だったのだけど、サイトを調べながら、ターミネーターとか有名な映画がスロットになっているのが面白かった。おじさんたちが遊ぶイメージしかなかったけど、すごく映画に似ているし、素直にたのしいな、と思いながら遊べた。
カジノエックス評価を書くなら、ダブルミンツのオンラインスロットを作ったらどうなるのかなという記事を書いたら怒られるかな、と思ったけど、思い切って書いてしまった。ボーナスとか、シンボルが揃うと、映画の音楽とか、ワンシーンが観れる。最初の「女を殺した…」というセリフは一番最初に流れてきて、ゲームが始まる感じにする。フリースピンは暴力団に追われて二人で一人になるシーンのムービーが流れて、どんどんそれが進んでいく… ステキ。
もちろんカジノエックス評価を客観的に書いたけど、そんなの面白くない。私みたいな個人でも、面白いなと思ったことはとりあえず書いてみる。そうすると「それ面白いね」という共感が出てきたりするから面白い。
クライアントはかなり気に入ってくれたみたいなので、また別の場所で淵上くんのことは書きます。